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とてもあたたかな光に満ちた映画でした。
流れてくるシンプルな音楽もとても素敵。
2時間に一本しか電車が通らない小さな田舎の町。
ちゃんとコミニュティがあって、みんながお互いのことを認め合って支え合って生きている。
そして家族も夫や妻のつとめを果たし、幸せをかみしめながら生きている。
アメリカに「3丁目の夕陽」的なものがあるかは微妙ですが、いろいろな愛に満ちたこの映画は、どこか郷愁を誘いみていて胸が熱くなりました。
大掛かりなCGやセットなどなくても、立派なビルが出てこなくても、心に訴えかける映画、というのは出来るのだと思いました。
全編にHACHI目線のモノクロの映像が散りばめられています。
それでよけいにノスタルジックな雰囲気になっているのかもしれません。
物言わぬ動物からは、ヒトはこのように映っているのですね。
全編に流れているのは「愛」。夫婦の愛、家族の愛、友人への愛、隣人への愛。そして家族の一員としてのHACHIへの愛。
画面の中で誰も声高に「愛」を語ったりはしないけれど、いろいろな愛がこの映画を優しく包んでいます。
アメリカ本国でもこの「HACHI」がヒットしているということですが、「愛」があふれている映画だからなのでしょうね。
泣いちゃうんだろうなぁと思いながらみはじめて、ギア様演じるところの「先生」とHACHIとの出会いから泣いていました。
子犬のシーン、ギア様とじゃれるシーン、いつまでも駅で待ち続けるシーン、友人が日本語で語りかけるシーン…心の鍵を開けるきっかけはどこにでもあって、周りの皆さまもすすり泣いたり、涙を拭いたりされていました。
一緒にいった連れ合いは、幼少時に飼っていた愛犬のことを思い出して、号泣でした。現在両親の老後を支えている私自身は、犬を飼ったことはないものの、HACHIを通して「老い」を考えながら泣いていました。
「愛と青春の旅立ち」のあのギア様が、「背徳の囁き」のあのギアさまが、「北京の二人」のあのギア様が、こんな穏やかな、いわゆる小市民Aのような役をすることを意外と思われる向きもあるかもしれません。
でも仏教を愛し、日本を愛し、そして新しい家族を持ったいまだからこそ、彼はこの役を、実に嬉しそうに演じているようにみえました。
日本、という設定なのに、どこか違う国とミックスされている映画がよくありますが、この映画は日本という国をとても丁寧に正しく描いている点でも好感がもてました。
今はもう亡き舅が、戦前、渋谷駅でハチ公を見たことがあると話しておりました。
まだ舅が生きていたら、この映画を懐かしくみたことと思います。
この試写会にご招待くださったライブドアの皆さま、ありがとうございました。
※HACHIつながりで、試写会の浴衣飾りは、COACHの蜂のキーホルダーにしてみました…