5c3c63a5.jpgと一着入線したときに実況アナウンサーに言わしめた、1985年秋の天皇賞。
そのギャロップダイナに騎乗していた根本康弘騎手が、10勝目の勝ち星をあげた時に書いてもらったサインがこれです。
騎手になって初めてのサイン。想い出の一枚です。

根本くんとは彼が下乗り(騎手候補生)の時からの顔見知り。
彼は。高校卒業してからの騎手挑戦で、いわゆる短期生。
当時、騎手候補生は白井の競馬学校で2年間びっしり学んで厩舎に引き取られデビューする長期生と、厩舎で実務を学びながら馬事公苑に短い期間何回か勉強に行く短期生。
長期生は卒業してから厩舎に所属するのですが、短期生は最初から厩舎に所属して実務も学びます。
書類関係で事務所にも良く顔を出すので、デビュー前から知っている子ばかり。当然みんな坊主頭で、事務所に入る時は帽子をとって一礼、帰る時も同じ。
もちろん事務所のお姉さん=私には敬語で、私も弟くらいの年と思いこんで、根本くんともいろいろお話ししていたのです。
ある夏の日、根本くんの橋本厩舎の新しい馬主さんの勝負服を決めるのに、倉庫でいろいろ話をしているうちに、同じ東京生まれで、同じ年生まれとわかってかなりびっくり。すっかり打ち解けてしまいました。

ちょっとデビューには時間がかかったけれど、デビュー後ももちろん応援していました。
10勝あげたらサイン頂戴ね、と頼んでいて、当時、馬の写真を撮っていた山口シネマの人にお願いして頂いたとっておきの一枚に書いてもらったものです。
彼はこの年の春の中山大障害で勝ち、1987年にはメリーナイスでダービーも勝利しています。
ダービーと天皇賞を勝つだけでも大変なことなのですが、障害の最高峰、中山大障害まで勝っている騎手は、あまりいないと思います。
アカネジローマルの皐月賞で逸走しちゃってドベという情けない記憶とか、ダービー馬メリーナイスで有馬記念ゲート出てすぐ落馬とか、そんなこともありました。
お子さんの居なかった橋本先生の引退に伴い、わが子同然に可愛がって育ててもらった根本くんはすっぱり騎手を引退、いまは調教師としてがんばっています。

昨日、探し物をしていたらこの写真がでてきて、さっきテレビをつけたら天皇賞をやっていて、これは今日載せるしかないでしょう!と思ってご披露させていただきました。
あぁ、それにしても、競馬ってなんて面白い!!