39048b06.jpg先日、はらっとでてきた小さな紙。
以前、お仕事で伺ったホテルマウント富士の「和彩 旬華」のお品がき。
ゆったりとした素敵な時間を過ごしたことを思い出していました。

こちらのホテルはダイニングの大きな窓いっぱいに見事な富士山が見えることで有名です。
そして、四季折々の自然が楽しめるようにと、ホテルのまわりに「マウント富士自然遊歩道」があります。
スタッフの方たちがみなさんで知恵と時間を出し合って、整備をされています。
餌の少なくなる冬には、餌台にごちそうが置かれ、餌台バードウオッチングも楽しめます。

餌を台に乗せるのは、副支配人のKさんのお仕事。
びしっと決めた黒服の上に防寒コートと長靴を履いて餌台の横に樹と化して立たれている姿が、とてもチャーミングで、微笑ましくて…。
鳥たちもKさんをお友達と思っているのか、怖がらずにいるのも心温まる光景でした。

高司の来訪を一番喜んでくださって、いろいろとお心遣いいただいて、とてもお世話になったのです。

そして昨日…こんど出す本の関連で、少しお尋ねしたいことがあってKさんにお電話したら…
電話口の女性がしばらくの沈黙ののち、この夏御病気で逝去されたとお話し下さいました。
お仕事が大好きで、いったん回復してすぐお仕事に戻られたのに、残念なことに…と伺って、Kさんの優しい笑顔を思い出し哀しくて涙がでました。

今年の冬、Kさんに会うのを楽しみに、鳥も訪ねてくるかもしれないけれど、樹と同化したKさんの姿はもうないのですね。

お電話に出てくださった総支配人さんが「今年の冬ももちろん餌やりを続けます!」と力強くおっしゃっていたのが、せめてもの救いでした。
鳥の集う場所のそこここにKさんの心を感じることができますように。
そして御病気から解放されたKさんが、気持ち良く空を羽ばたけますように。

心よりご冥福をお祈りします。